クリップボードの転送
フルコントロールのセッションでは、お使いのコンピューターのクリップボードとリモートコンピューターのクリップボードが同期されます。一方でコピーしたものは、もう一方で貼り付けられるようになります。転送は双方向で、テキスト、書式付きテキスト、画像、そして Windows 版 Remote Utilities 7.9 および macOS 版・Linux 版 2.1.1 以降ではファイルとフォルダーも対象です。自動的に貼り付けられることはありません。転送によって満たされるのは相手側のクリップボードだけで、貼り付けは必要な場所で自分で行います。
クリップボードの転送は、Windows、macOS、Linux のどの組み合わせでも、どちら側でも動作します。使用できるのはフルコントロールモードのみで、表示のみモードでは何も自動転送されません。
プレーンテキスト
一方で Ctrl+C(Mac では Cmd+C)またはプログラムの編集メニューでテキストをコピーします。すぐに相手側のクリップボードに入るので、必要なプログラムに切り替えて Ctrl+V(Cmd+V)で貼り付けます。
転送されるのは、セッション中に行われた変更だけです。接続する前からクリップボードにあったテキストは送られません。もう一度コピーするか、リモートのクリップボードにコピーを使います(下記を参照)。
書式付きテキスト
書式のあるテキストは、その書式が保たれます。Word、LibreOffice Writer、TextEdit、Web ブラウザーでコピーした太字、見出し、箇条書き、リンクは、貼り付け先のプログラムが対応している範囲で、相手側でも書式付きで貼り付けられます。Linux や macOS のコンピューターでコピーした HTML は Windows でも正しく貼り付けられ、その逆も同様です。プレーンテキストだけが必要な場合は、貼り付け先のプログラムのプレーンテキストとして貼り付けコマンド(多くのプログラムでは Ctrl+Shift+V)を使います。
画像
あるプログラムでコピーした画像を、相手側のプログラムに貼り付けることができます。画像エディターや Office 文書で画像をコピーし、もう一方のコンピューターで貼り付けます。画像の転送は、Paint、Photoshop、GIMP の間であらゆる方向で、また Mac のプレビュー(ファイル → クリップボードから新規作成)でテスト済みです。画像はテキストと同じように自動的に転送され、手動のコマンドは必要ありません。
ファイルとフォルダー
一方のファイルマネージャーでファイルやフォルダーをコピーし、もう一方のファイルマネージャーに貼り付けることができます。ファイル転送モードを開く必要はありません:
- フルコントロールのセッションで、一方のエクスプローラー、Finder、または Linux のファイルマネージャーでファイルやフォルダーを選択し、Ctrl+C(Mac では Cmd+C)を押します。
- もう一方に切り替えてコピー先のフォルダーを開き、Ctrl+V(Cmd+V)を押します。
フォルダーは中身ごとコピーされます。ファイルは Host からお使いのコンピューターへも、お使いのコンピューターから Host へも同じように転送でき、Windows、macOS、Linux のどの組み合わせでも使えます。
要件
- 両側とも新しいバージョンである必要があります: Windows では Remote Utilities 7.9 以降、macOS と Linux では 2.1.1 以降です。古い Viewer や Host にはクリップボードのファイルが見えないだけで、テキストと画像はこれまでどおり動作します。
- Host でファイル転送モードが許可されており(Host の設定 → モード)、接続に使用しているアカウントにその使用権限がある必要があります。クリップボード経由のファイルには同じ権限が適用され、ファイル転送のセッションと同じように Host のログに記録されます。ファイル転送が許可されていない場合、ファイルは相手側に提示されないか、貼り付けがエラーで終わります。
- Linux 用 Viewer で Host からファイルを受け取るには
fuse3パッケージが必要です。インストーラーはこのパッケージを推奨します。
何が、いつ転送されるか
Ctrl+C を押したときに送られるのは、コピーした項目の一覧(名前、サイズ、日付)だけです。内容は貼り付けたときに、実際に貼り付けたファイルだけが転送されます。リモートコンピューターで大きなフォルダーをコピーしてから気が変わっても、ネットワークを通って送られたものは何もありません。
- お使いのコンピューターに貼り付けるファイル(Host から Viewer へ)は、ファイル転送モードと同じ接続を通り、暗号化、権限、速度も同じです。
- Host に貼り付けるファイル(Viewer から Host へ)は、Host がセッションの接続を通じて少しずつ要求します。リモート画面の応答性が保たれるよう、1 回に送る量は回線に合わせて調整されます。macOS や Linux の Host では、ファイルの受信中に画面の隅に小さな通知が表示されるので、そのコンピューターの前にいる人にもファイルマネージャーが処理中である理由がわかります。
貼り付けられる場所
受け取る側は、コピーの時点ではファイルそのものを受け取りません。受け取るのはファイルの予約のようなもので、それを貼り付けた瞬間にオペレーティングシステムが実際のファイルに変えます。その方法は OS ごとに異なります:
- Windows: エクスプローラーで、フォルダーまたはデスクトップに貼り付けます。エクスプローラーはキャンセルボタン付きのいつもの進行状況ウィンドウを表示します。Telegram や WhatsApp のように、ディスク上にすでにあるファイルしか受け付けないプログラムからは、相手側のファイルは見えません。まずフォルダーに貼り付けてから、そこから添付してください。これは Windows のリモート デスクトップと同じ動作です。
- macOS: Finder で貼り付けます。ファイルが届くまで、Finder は進行状況バーなしで「コピーを準備中」と表示しますが、フリーズしているわけではありません。Mail やチャットアプリのように、貼り付けたファイルを自分で読み込むプログラムは、同じファイルを一度 Finder に貼り付けるまで空のファイルを受け取ります。
- Linux: どのファイルマネージャーにも貼り付けられます。Nautilus などは独自の進行状況を表示します。貼り付けたファイルの中から、ファイルを直接開くこともできます。
ルールと制限
- お使いのコンピューターでコピーしたファイルが Host に提示されるのは、セッションウィンドウがアクティブな間だけです。そうでなければ、お使いのコンピューターで Ctrl+C を押すたびに、接続しているすべての Host にファイルが公開されてしまいます。別のウィンドウにフォーカスがある間にコピーしても問題ありません。セッションウィンドウに戻ったときにファイルが提示されます。
- 同じクリップボードを 2 回目に貼り付けると、コピー後に加えられた変更を含め、コピー元のファイルの現在の状態が使われます。コピー中に変更されたファイルは、壊れたコピーにはならず、読み取りエラーになります。
- 切り取り(Ctrl+X)はコピーとして動作し、コピー元からは何も削除されません。
- 名前、サイズ、更新日時は転送されますが、アクセス許可、所有者、拡張属性は転送されません。コピーしたフォルダー内のシンボリックリンクはスキップされます。
- 接続が切れた後の再開はできません。もう一度貼り付けてください。
- ある Host から受け取ったファイルが、別の Host に渡されることはありません。
リモートのクリップボードを手動で取得・設定する
フルコントロールウィンドウのメニュー(
)にある 2 つのコマンドで、クリップボードを手動で移せます:
- リモートのクリップボードから貼り付け—リモートコンピューターのクリップボードに今ある内容を、お使いのコンピューターのクリップボードに入れます。
- リモートのクリップボードにコピー—お使いのコンピューターのクリップボードの内容を、リモートコンピューターのクリップボードに入れます。
どちらもテキスト、画像、ファイルのいずれにも使えます。次のような場合に使います:
- セッション開始前にコピーした内容。自動転送で送られるのはセッション中に変わったものだけです。接続した時点、または Host や Viewer を起動した時点でクリップボードにあったものはそのまま残ります。テキストやファイルがまだお使いのクリップボードにある場合は、リモートのクリップボードにコピーを選ぶと送られます。リモートのクリップボードから貼り付けは、接続前に Host でコピーされたものについて同じことを行います。
- 自動同期がオフになっている場合(Viewer のオプション、下記を参照)。この 2 つのコマンドがクリップボードを転送する唯一の方法になり、明示的に操作しない限り何も移動しません。
- 確実に知りたい場合。たとえば表示のみからフルコントロールに戻した後など、相手側に今何があるかを確かめたいときです。
1 回のコピーで複数のセッションに: フルコントロールウィンドウを複数開いている場合、お使いのコンピューターでコピーした内容は接続しているすべての Host に提示されるので、同じテキストやファイルを各セッションで順番に貼り付けられます。(例外は、特定のセッションウィンドウがアクティブな間にコピーしたファイルです。上記のルールを参照してください。)
クリップボードの転送をオフにする
Viewer で
自動同期とは、セッションウィンドウがアクティブな間にコピーしたものが、そのリモートコンピューターに提示されることです。その都度判断したい場合は、Viewer でツール → オプション → リモート画面に移動し、クリップボードを自動的に同期しないを選択します(Viewer のオプションを参照)。これで、どちらの方向にも何も自動的には移動しなくなり、リモートのクリップボードから貼り付けとリモートのクリップボードにコピーは要求に応じて引き続き動作します。
Host で
最終的な決定権はリモートコンピューターの所有者にあります。Host の設定のその他ページでクリップボードの転送を無効化を選択し、双方向またはHost から Viewer のみを選びます。2 つ目のオプションでは、Viewer のユーザーは Host に貼り付けられますが、Host でコピーしたものが Host の外に出ることはありません。ブロックされた方向では、自動転送も手動のコマンドも動作しません。ファイルについては、上記のとおり、さらにモードページでファイル転送モードが許可されている必要があります。
クリップボードをキーボード操作として送信
リモートコンピューターには、貼り付けをまったく受け付けない場所があります。Windows のサインイン画面、UAC のプロンプト、別のユーザーとして実行されているプログラム、仮想マシンのコンソール、BIOS のようなテキストインターフェイスなどです。こうした場合は、お使いのコンピューターでテキストをコピーし、フルコントロールウィンドウのメニューでクリップボードをキーボード操作として送信を選びます。Viewer は、キーボードで入力したかのように、テキストを 1 文字ずつリモートコンピューターに入力します。リモートの Windows のようこそ画面で長いパスワードを入力するときの一般的な方法です。
この方法で送れるのはプレーンテキストだけです。コマンドを選ぶ前に、リモートコンピューターの正しい入力欄にフォーカスがあることを確認してください。
モバイルアプリ
モバイルアプリはテキストを双方向に転送します。書式付きテキストは、貼り付け先のプログラムが対応していれば書式が保たれます。画像やファイルは転送されません。クリップボード経由のファイルのコピーは、デスクトップ版の Viewer と Host の機能です。アプリがバックグラウンドにある間にスマートフォンでコピーしたテキストは、セッションに戻ったときにリモートコンピューターへ送られます。リモートのクリップボードを取得とリモートのクリップボードに設定のコマンドは、セッションのツールバーの稲妻のアイコンから使用できます。
ヒント
- 少し待ってください。クリップボードが相手側に届くのは、高速な回線ではコピーから一瞬後、低速な回線ではもっと後です。貼り付けると前の内容が出てくる場合は、少し待ってからもう一度貼り付けてください。Mac では貼り付けの前に 5 秒ほど待ってください。
- 大きなファイル。クリップボード経由で大きなファイルを貼り付けると、ファイル転送モードでコピーするのと同じだけ時間がかかり、macOS の Host ではそれ以上かかります。数ギガバイトのファイルや、進行状況を確認したり接続が切れた後に再開したりしたい場合は、ファイル転送モードを使ってください。
- お使いのコンピューターから何も届かない場合は、コピーしたときにセッションウィンドウがアクティブだったこと、Viewer のオプションでクリップボードを自動的に同期しないが選択されていないこと、Host でその方向のクリップボードの転送が無効になっていないことを確認してください。
